GBizIDの代理入力は安全? ~行政書士が補助金の電子申請を代行するときのセキュリティについて~
最近、補助金の電子申請(特にJグランツなど)に使われる「GBizID(ジービズID)」の取り扱いをめぐって、依頼者の方からご心配の声をいただくことがあります。
「GBizIDとパスワードを行政書士に渡してしまって、本当に大丈夫なの?」
「セキュリティ的に不安…」
そのような心配をお持ちになることも当然かもしれません。
今日はその疑問や不安を解消するため、GBizIDを利用した電子申請の「安全な仕組み」について、詳しくお話したいと思います。
「GBizID」と行政書士の関係とは?
行政書士は正式な委任を受ければ、事業者ご本人からGBizID(ユーザーIDとパスワード)をお預かりし、ご本人に代わって電子申請を行うことが法律的に認められています。
実際に、令和6年2月には行政書士会が中小企業庁に確認を取り、「これらの申請は本人による申請が前提だが、申請者の本人名義での申請を行政書士が有償で代行することは差し支えない」という通達が出ています。(行政書士が本人名義のGBizIDを使って代理で申請入力を行うことを行政側が認めていると理解できます。)
これは行政書士だからこそ許されることであり、行政書士以外(たとえば経営コンサルタントなど)がGBizIDを預かって代理入力をすることは認められていません。
本当に本人の関与があるの? ~二段階認証の仕組み~
では、実際にGBizIDを使った申請の際に、「本人の関与」がどのように確保されているのかを説明します。
GBizIDを利用した各種行政手続き(例えば、国土交通省のドローン飛行許可申請や経済産業省のものづくり補助金申請など)では、本人確認のために『二段階認証』という仕組みが使われています。
具体的には以下のような流れです。
- 行政書士が事前に本人からGBizIDとパスワードを教えていただき、行政書士のPCで入力を行います。
(※GBizIDとパスワードは事前にご本人に許可をいただいてお預かりします) - 行政書士が入力を進めて「ログイン」をクリックすると、ご本人のスマホや携帯電話に、SMS(ショートメッセージ)や専用アプリ経由で『本人確認の数字コード』が届きます。
- 行政書士はご本人に電話やメール、LINEなどで「いまスマホに届いた確認コードを教えてください」と連絡します。
- ご本人はスマホや携帯電話に届いた『本人確認の数字』を行政書士に伝えます。
- 行政書士がその数字を入力することで初めて、ログインが完了し、電子申請を進めることが可能になります。
つまり、このような流れにより、「本人が明確に許可を与えた場合に限ってログインできる」という仕組みになっているのです。
「本人が全く知らないうちに勝手にログインされて申請が進む」といったことはあり得ません。
「パスワードを教える」ことは安全?
しかし「パスワードを教える」ということに抵抗を感じる方もいるでしょう。
お気持ちは理解できます。ただ、行政書士がパスワードを預かる際は、あくまで正式な業務委託契約や委任状に基づく明確な合意のもとです。また、行政書士には法的に厳しい守秘義務がありますので、預かったパスワードが他に漏れることは絶対にありません。
さらに、先ほどお話しした「二段階認証」がありますので、仮に万が一第三者にIDとパスワードが漏れたとしても、ご本人のスマホや携帯電話に届く確認コードを知らない限りログインすることは絶対にできないのです。
つまり、「GBizIDの電子申請」は非常にセキュリティレベルの高い仕組みになっているわけです。
実際にあった誤解のケースと、その背景
先日、このようなやりとりがありました。
ある依頼者の方にGBizIDを使った補助金の電子申請をご案内したところ、
「行政書士がGBizIDを使って代理ログインすることは違法ではありませんか?念のため、他でも確認してみます。」
というメールをいただきました。
もちろん違法性は一切ありませんが、「他でも確認する」と言われると、「信用していただけていないのかな…」という気持ちにもなります。
おそらくこのような誤解が生じる背景には、以前に依頼された専門家が、行政書士資格を持たない経営コンサルタントだった可能性があります。
私自身も事業会社を経営していますが、かつて経営コンサルタントに「GBizIDを教えてJグランツに代理入力してもらえますか?」と尋ねたところ、「それは違法になるためできません」と明確に断られた経験があります。
このため、「GBizIDの代理入力自体が違法だ」と誤解されている方が時折いらっしゃるのだと思います。
大切なのは「信頼関係」です
もちろん、セキュリティや制度の理解だけでなく、行政書士との信頼関係が何より重要です。
ご自身が不安に感じるなら、無理をしてまで依頼を進める必要はありません。
むしろ、納得のいくまで質問をし、安心できる専門家を選ぶことが最善でしょう。
私たち行政書士の役割は、ただ手続きを代行するだけでなく、皆様に安心して行政手続きを進めていただくためにあります。ですから、ご質問があればどんな些細なことでもお気軽にご相談いただければと思います。
安心して行政書士を活用してください
デジタル化が進み、「本人の電子的な関与」が求められる時代だからこそ、私たち行政書士がしっかりとサポートします。
GBizIDや電子申請に不安を感じる方は、ぜひ行政書士にお気軽にご相談ください。あなたの大切な事業を、安心かつ確実に前へ進めるお手伝いをいたします。
アシスト行政書士事務所は、これからも丁寧で安心できるサポートを心がけてまいります。
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